15日、舛添都知事が辞意を表明した。どうやら舛添都知事の辞任の意思は14日の夜11時過ぎの会談で決まっていたようだ。しかし気になるのは真相の究明。多くの謎を残したまま舛添都知事は去ることになりそうなのである。
舛添都知事が辞任を決意したのは後ろ盾である自民党の同意を得られなかったことが最大の原因だった。当初の想定よりも参院選の影響が大きすぎるとして推薦した自民公明両党から突き放され、とうとう舛添都知事も辞任を決意。しかしこれでいいのだろうか?真相の究明は?最近多い議員の政治資金問題。舛添都知事の辞任劇は氷山の一角でしかない。
自民公明が百条委員会の設置を拒否
15日は各会派から不信任決議案が提出されたが舛添都知事はその前に辞意を表明。焦点は百条委員会の設置に移った。百条委員会が設置されれば舛添都知事の嘘はとことん追求され真相は一気に明らかになる可能性が高い。
もちろん野党は百条委員会の設置を強く求め真相の究明を追求しようとした。しかし与党である自民公明両党が足並みをそろえて百条委員会の設置を拒否。これにより百条委員会の設置は見送られることになった。残されているのは20日に予定されている集中審議である。しかし既に辞職願を提出し、辞職が「異議なし採決」で同意されているので舛添都知事にはこれ以上真相を明らかにするメリットはない。つまり真相が語られる可能性は極めて低く、茶番劇が行われるだけなのである。
13日の集中審議で厳しく辞任を迫った公明党は何だったのかと言いたいが、既に舛添劇場は参院選に向けた戦いへと移行したのである。
都政に国政の影響がこれほどまでに出てもいいのだろうか?本来であれば今一度政治のあり方が問われる問題でもある。しかしそこは待ったなし。今回の舛添都知事の辞任劇は次の参院選で与党を貶める野党のいいネタになる。与党は舛添問題の追及をこれ以上させないことで傷口を広げないよう必死であり、野党はいかに舛添問題から傷口を広げるかに必死だ。第3者から見れば目くそ鼻くその戦いである。
マニフェストを提出しても一体その何%を達成しているのか?舛添都知事は福祉や保育を大いに訴えて当選した。しかし、蓋を開けてみればどうか。保育について話し合う場には結局一度も姿を見せなかったそうだ。こういった政治家の姿勢が政治家を嘘つきとし、国民の多くが失望し興味を失ってしまう。もちろん全員が全員とは言わないが最近の若手議員の不祥事は目に余るものが多い。
百条委員会を設置しなかったことを国民はどう判断するだろうか?真実をうやむやにする姿勢に国民が何を感じたか、次の参院選が見ものである。