6月13日14時30分より舛添都知事に対する集中審議が始まった。答弁次第では不信任決議案が提出され、議決されると舛添都知事が辞任するか都議会を解散させるかという選択になるので東京都民のみならず全国で注目されている。しかし自民党の思惑として、次の都知事候補が見つかるまでは舛添都知事にやめられては困るとのではないかとの指摘もある。13日の集中審議で自民党がどのように舛添知事に相対するかに注目が集まった。
ホテル三日月で会議をした社長の名前
自民党の13日の集中審議は案の定詰めの甘いものとなった。一番の疑惑となっているホテル三日月の社長の名については「政治家としての信義」として名前を出せないとする舛添都知事。これに対して自民党の集中審議は追い詰めるような追及ではなかった。内容をNHK交響楽団や東京ドームに招待した政務の相手の名前にすり替え、あたかも追及しているように見せかけるに留まった。大まかな内容は報道されているものばかり。本来集中審議で追及されるのはさらに踏み込んだ内容である。自民党の関係者がホテル三日月関係者に調査した様子はまったくと言っていいほど見て取れなかった。
そもそも安倍首相と比較しても舛添都知事は会談相手、招待された人物など、グレーにしている事案が多すぎるのではないでしょうか。都民や国民は、疑惑をハッキリ自身の言葉で明らかにしない「舛添都知事のグレーはクロ」と見做している。そう思われていることは分かっているはずで、その上でグレーにしていると考えるとお察しである。その上で仕事を全うしないと死んでも死にきれないとはよく言ったものである。
ホテル三日月の領収書についても自民党の鈴木隆道理事は追及していたが、これに対して舛添都知事は再発行できるのであればしてもらうということになり、次回の20日での集中審議への継続を暗に意味するものとなった。自民党の鈴木隆道理事は舛添都知事に対する批判は口にするものの、追い詰めるわけでもなく舛添都知事の意見を聞いたり約束をさせるだけにとどまった。13日の自民党の集中審議は甘いと言わざるを得ない内容であり、集中審議は1時間予定されていたがなんと55分で終わってしまった。これまた茶番劇でしかなかった。
タマゴサンドに対する弁護士の調査に疑問符
13日の自民党の集中審議の中でひとつ収穫があるとすれば「喫茶店のタマゴサンド疑惑」に関して、弁護士の調査方法が明らかになったことではないだろうか。
喫茶店の領収書が18,000円と異様に高かったことについて、舛添都知事は自身が行っている政経塾の勉強会で参加者に出すために30人分を注文したものだという。しかしマスコミの取材では「そのような領収書は切っていない」「そんな注文受けた覚えがない」など都知事の証言を真っ向から否定するものばかりで問題になっている。
さて、今回問題なのは弁護士の調査について。喫茶店に電話したら断られたそうである。そのために勉強会のスタッフなど、実際に注文したとされる関係者などに対して調査(ヒアリング)して結果をだしたということだそうです。あれだけマスコミが取材を実行しているにもかかわらず、この調査方法にはずさんである。もっと方法はいくらでもあったのではないだろうか。記者に指摘された「調査が足りないのでは?」に逆切れしたと言われているが、この内容では調査不十分としか言いようがない。その弁護士に任せた調査が信に値するか疑問である。
13日の都議会の集中審議は7時間ほど続く予定だそうですが、自民党からは厳しい質問や追及は特になかった。しかし、この後の公明党は前都知事の猪瀬元知事にも厳しい追及をしており、真相の追及が期待されるところである。