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舛添都知事今後の流れ。しかし不信任決議で最悪のシナリオの可能性も。

13日の集中審議が終わり舛添都知事は最後に「無給でもいいから続投したい」という意思を示した。しかし13日の集中審議での野党の反応を見ると不信任案提出は不可避と見られており、辞任は時間の問題のようにも思える。ところが舛添都知事の今後の流れを考えてみると、まだ予断を許さない状況が起こり得るのが気にかかる。

 

舛添都知事の辞任は時間の問題

今後の流れとして舛添都知事の辞任は時間の問題という点は変わらない。

しかし自民党にとっては予想を遥かに超えた世論の反発だったのではないだろうか。13日の自民党の集中審議からも分かるように、表面上は舛添都知事を批判しつつも、自民党は何とかこのタイミングでの辞任を避けるように動いてきた。他党が「辞任」という言葉を使い舛添都知事に迫ったのに対して、自民党は「辞任」という言葉は一切使用しなかったことからも汲み取れる。しかしこれ以上世論を無視すると次の参院選にも影響が出ると考える党員も増えており危機感を募らせている。

15日に舛添都知事の不信任決議が行われるというのが一般の見解だが、不信任決議案を可決させるには議員数の3分の2以上が出席、且つ出席議員の4分の3以上が賛成することが必要だ。現在都議会の定数は127。内訳は与党である自民党が56、公明党が23。公明党の流れからすると舛添都知事の辞任に賛成する可能性が高く、不信任決議案を否決するには32人以上が反対に票を投じなければいけない。

舛添都知事の不信任決議案を自民党だけで否決することは出来るのだが、それは世論が許さない。もし不信任決議案が反対多数で否決すれば参院選に影響が出るのは必至だ。その為にも欠席は許されない。そして党内からも次の参院選を心配し辞任をさせる声が多くなっているので、いくら勝てる都知事候補が見つかっていないとしても賛成せざるを得ないだろう。この流れからすると一見不信任決議案が可決され舛添都知事退任ということで安泰かもしれない。しかしまだ自民党にとっても東京都民にとっても最悪のシナリオは存在する。

不信任決議で起こり得る今後最悪のシナリオ

13日の集中審議で舛添都知事を辞任させる流れは出来上がった。後は時間の問題であることは変わらない。しかし、自民党がヘタに庇っていることが今後裏目に出る可能性がまだ残されている。自民党にとって、そして東京都民にとって今後最悪のシナリオとは不信任決議での「舛添都知事の辞任問題を利用した自民党落とし」である。

自民・公明両党は舛添都知事を推薦した。自民党としては勝てる都知事が見つかるまで辞めてもらっては困るというのが前提にある。その為に13日の集中審議も中途半端なものでとても甘いものになった。これに対して公明党はハッキリと辞任を迫り自民党とは決別した。他の野党も軒並み辞任を迫っている。この流れだと不信任案提出は間違いなく行われるだろう。問題は実施される不信任決議で起こり得る。

もし不信任決議で反対に票を投じられていたら、皆さんはどう思いますか?もし不信任決議案が反対多数で否決されたらどう思いますか?

そう、可決否決に関わらず不信任決議で反対票が入ると疑惑の眼差しは自民党に注がれる。問題はどのくらいの反対票が入るかだ。

もし野党が次の参院選で自民党から議席を奪うために不信任決議で「舛添都知事の辞任問題を利用した自民党落とし」を実行したとする。反対票が31以下であれば不信任案は賛成多数で可決され、舛添都知事が退任することになり都民にとっては問題ない(反対票が入ることで自民党には疑惑が付きまとう)。しかし「舛添都知事の辞任問題を利用した自民党落とし」により、不信任決議案の反対票が32以上あれば舛添都知事の続投が決まってしまうという悪夢が起こってしまう。もちろん戦犯は自民党と世間は見做す。すると高まった都民の感情は自民党に向けられ次の参院選にかなり大きな影響を与えることになるだろう。まさに自民党は推薦した舛添都知事と心中することになる。勝てる候補が見つかるまでなどという中途半端な姿勢が自民党を追い込むことになるかもしれない。

流石に不信任決議の場で「舛添都知事の辞任問題を利用した自民党落とし」は起こらないと信じたいが、政治は様々なことが絡んでおり何が起こるかはわからない。こういう可能性が残されている限り、個人的には舛添都知事を政治資金規正法違反や公用車の不正利用をとことん追求し「百条委員会」を設置した方がよかったように思う。百条委員会の設置が決まれば舛添都知事は嘘を吐きとおすことが出来ない、もしくは自分の政治的信義に背くことは出来ないので辞任せざるを得なくなっただろう。

自民党が不信任決議案を提出

14日は自民党が不信任決議案の提出するのかしないのかが焦点になっている。他の会派は既に不信任決議案の提出を決めており、自民党が不信任決議案を提出すればもはや味方はいなくなる。そうなると「最悪のシナリオ」も成り立たなくなりもはや舛添都知事には打つ手が残っていない。

そしてどうやら14日、参院選への影響を懸念し自民党が不信任決議案の提出を決めたそうだ。これで15日は不信任決議が可決される見通しが強くなり舛添都知事が失職するのか都議会を解散するのか。常識で考えれば自ら身を引くのだが、常識から外れたことばかりが起こっているのが今回である。都議会を解散してもメリットはほぼなく、税金が更に使われるだけである。都民のために働くと懸命に訴えている舛添都知事だが、都民のためにも身を引くべきではないだろうか。

舛添都知事の失職が加速していますが、とにもかくにも15日の不信任決議ですべて決着がつくことになりそうです。

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